- Ichiyoh Nakazawa
北島健二師匠のお手伝いですること〜Fence Of Defense 初ローディー〜
最終更新: 2020年3月7日
2月中旬の一週間は北島師匠と共に過ごさせて頂きました。
そう、師のバンドFence Of Defense(以下FOD)のライブとそれに向けてのリハお手伝いです❗️

●他現場とFOD現場の違い●
遂に念願のFOD現場、
今まで数多くの現場をお手伝いさせて頂きましたが、なんと今回は今までに無かった仕事が待っていました。
それは『本番中のギターチェンジ』!
いつもはエレキの竿が2本ほど。それも師匠ご自身が変えるのがほとんどでした。
しかし!
今回竿(ギターのことを業界では”竿”って呼びます)が4本あり、
MCを挟まず頻繁にチェンジする場面がありました。
”アコギとエレキは使用機材がそれぞれ異なるので、互いのケーブルが被らないように”だとか、”ギターを渡す際に自分が持つ手の位置”とか、
実は細かいけど大事なことが沢山。
そして、曲ごとにチューニングが違うので、”渡すギターを間違えるとアウト!”
本番中の集中力が必要になるので、これも良い経験でした!

↑↑今回キーボードでサポートされていた潮崎裕己さんの公式Instagramより画像を拝借致しました。https://www.instagram.com/hiromi_shiosaki/
※潮崎さんの圧巻の演奏や、ハイセンスな音色選び等沢山勉強になりました!ありがとうございました!
氏の公式HP→『http://hiromishiosaki.com』
★いい機会なので、普段の師匠お手伝い時の僕の仕事をまとめます★
■入り時間に現場直集合。使用機材を運搬。
※この時竿が何本か、箱が何本かを確認!これをすることで、撤収時の片付け忘れを防げます。
■ステージや立ち位置を確認。機材をセッティング、音がちゃんと出るかをチェック。
※朝の師匠との挨拶時に、今日何のギターを使用するか、機材で何を使うか、念の為の確認をしておきます。
■ギターの弦変え。
※変えるギターと変えないギターがあるので、それも確認。曲によっては弦のゲージが変わるのでそれも念入りに確認します。
■リハ中、出音がアンプから出ている音と同じ感触かの確認
※耳が一番鍛えられる瞬間です。ライブではアンプから出ている音をマイクで広い、最終的には楽器すべての音がまとまってステージ脇にあるデカいスピーカーから爆音となってお客に届きます(これを出音と呼ぶ)。
その際、アンプからはまろやかな音なのに、出音が”キンキン”な硬い音だと、演奏者の意思に反しています。
ここは難しい所で、出音をまとめるPAさんが”アンプの音をこうしないとギターが聞こえなくなる”という意思のもと、そういう音に調整した可能性もあるので、師匠に率直な意見を言いながら、師匠がPAさんと相談しながら出音の調整をしていきます。
(アンプとマイクの種類・距離・角度で音って簡単に変わります。超コアw)
そう…
お客に届けられる”北島健二の音”の良し悪しを僕が判断させて頂いているのですwww
この責任の重さのおかげか、耳が今までよりも格段に敏感になりました。
本っ当に良い経験をさせてもらってます。。。
■リハ中に何か不具合があれば対処。
※ギターのケーブルが邪魔してたら養生テープで止めたり、、だとか。
■本番前のチューニング、音が出るかの確認。本番のトラブル対処。
※ライブに行くと見ますよね。ライブ前の音出しチェック。まさかこれをさせて頂く日が来るとは。人生何が起こるかわかりません(笑)。
毎回感じることですが、
リハで余程の事が無い限り音は出ます。
でも、本番1曲目の出だしってどの現場でも超緊張するんです。。
「音出るの確認したよな…いいはず…頼む!鳴ってくれ!」
という気分でいつも本番が始まります。
幸いなことに、本番中のトラブルはまだ出会ってないです。
■ライブ終わり〜撤収。
※お客がほぼ帰った頃を見計らって機材の撤収です。ギターも拭いて、機材も元あった所にしまい、、普通のことなんですが、どれもが高級機材。気を抜かずにやる次第ですw。
忘れ物や機材の仕舞い忘れが無いことを確認し、師匠に終わりの挨拶をし無事終了。
★あくまでもこれは”僕が任せられてる仕事”であり、世のアーティストのローディの方は膨大な仕事をされてます。北島師匠のローディには僕より上の先輩もいらっしゃり、作業を分担することもあります。誤解の無きよう(笑)

指示はありませんでしたが、そりゃFODシャツ着ちゃいますよねぇ笑
●音楽をお客に届けられる品質とは?●
今回のお手伝いで特に学びになったのは、
リハでの音楽の品質をどう高めるかの作業を見れたことです。
ざっくり言うと
『リズム』と『コード(音)』についてなのですが、(勿論他にもあるけど)
それぞれに関して、物凄く細かいレベルで修正されているのです。
★リズムに関しては、
リズム(もっと言うと”その曲で表現したいノリ”)をバンド全体で表現することを目標に
練習する訳ですが、
例えば「ジャージャッ!」というキメを合わせるのは勿論のこと、
凄く微妙〜なノリの違いを、”何の楽器が問題の原因になっているのか?”、”どうすれば問題解決できるか?”を、全員がアレンジャー目線で非常に細かく考えていました。
※その際、問題を投げかける言葉遣いも学びになりました!ただ文句ばかり言ってちゃ意欲が下がっちゃいますもんね。
★コード(音)に関しては、
曲の○○という場面で相応しくない音を取り除いたり、違う音に変える作業です。
例えば、ある場面で”ファ”の音が、雰囲気を暗くさせてたり、明るくさせてたり、
そういうことって実はよくあります。
特に師匠達は耳が敏感!!
「その音おかしいのでは?」、「その音は無いほうがアンサンブルに馴染むよ。」
と、非っっ常に細かい部分を微調整されてました。
※実際にbefore afterを聴くことが出来ましたが、明らかにafterが正しいと認識できました!
リハの最中に師匠が「お客様にお届けする品質」という言葉を仰っており、
勿論何事においても”妥協点”というのは必要なのですが、師匠達のレベルになると
妥協点の最低ラインがここまで高いのかと驚きました…
そうして出来上がった音こそが、時代をつくっていく、、
と勉強になりました。
↓↓FODが今月発売されたNEW ALBUM『Primitive New Essence』!
http://www.110107.com/s/oto/page/fence_of_defense?ima=0339

●いざ本番!●
ニューアルバムからの曲や、過去の有名曲等、名曲のオンパレード!
特に印象に残っているのはアンコールに演奏された曲。
イントロだけでお客の盛り上がりが最高潮に達した時は、
僕もステージ脇にいながら鳥肌が立ちました!
無事ギターチェンジも間違えず、トラブルも起きずで良かった。。。
終演後、お客さんからも僕にお声をかけて頂けて嬉しかったです😊

↑↑同じく、潮崎さん公式Twitterより拝借致しました。オーラが画面越しから伝わってきます。『https://twitter.com/shiosaki324』
●どの現場でも忘れられない光景●
それはお客、皆さんの笑顔です。
その時間は日常の何もかもを忘れて、”生の音楽”に身体を揺らして、五感で感じる。
泣き、笑い、手を叩き、共に歌い、、
そこには沢山の感動があり、それを皆で共有しているという最大級の愛があります。
そんな光景を見ると、
僕もこういう笑顔の花々を沢山咲かせたいなと思います。
ベタですけど改めて、音楽って素晴らしいなと純粋に感じれる光景です。

●2年前のライブから●
FODが結成30周年の年、
僕は初めてFODのLIVEを拝見しました。
学生時代から好きだった曲、サウンド、そのどれもが思い入れある音楽だっただけに、
あの圧巻のステージを観れたのも、昨日のことのように思い出します。
それから2年後、
師匠のギターチェンジをまさか僕がさせて頂けるとは…、師匠の愛に改めて感謝です。。
ブログの通り、
リハも本番も全てが貴重な生の音楽現場、
この経験を基に、これからも頑張ります❗️
